そんな興味から観てみました。

1979年に上映されたとき友達に感想を聞いたところ「なんだか暗くて残酷だよ。それに長い。」と言うので観るのを止めました。戦争映画でそんなに鬱々となったらたまらないなどと思ったからです。しかし20歳になるかならないかくらいの女子だから解らないんだろうなと今になって思います。
戦争映画というより『叙事詩』だという評もあったけれど・・・当時ドンパチやるのが戦争映画の定番だったし
定番というか軍隊はしっかりと規律があって上官があっての命令による戦闘だと思っていたから、こういうグチャグチャの『ベトナム戦争』って__「何だ????」ということだったのでしょう。
懲りずにアメリカはなんだかんだと戦争やってますが、34年前フランシス・コッポラ監督は痛烈に皮肉を利かしたのではないかなと思います。
ロケだって他所のの国の協力(フィリピン)で行ったそうです。アメリカ軍が協力する訳が無い内容ですし
娯楽映画なんですが。
マイケル・ムーア監督の2004年上映『華氏911』の中でイラク戦争に進んで兵役に行かせるちょっと国粋主義なお母さんが、結局息子を死なせてしまい非常に嘆いていて悔やんでいたけれど、
国は兵士となった国民の被る多大な被害なんて知らんふり。
戦場でのクレージーな有様なんて無視。
イラク戦争の場合、火の無いところから無理矢理 煙をたたせて・・・戦争を勝手に終結させて
お節介にもアメリカ軍を駐留させてイラク人に恨みを買わせ
これを実行してるのはアメリカ政府なのに。。。。。。
見せしめに・・イラク人達に殺されて炭みたいになった姿を吊るされているのはアメリカの一般市民だったりするんですよね。衝撃的でした。
これはドキュメンタリーだから娯楽映画とは違いますが、それだけに戦争のクレージーさが伝わってきます。
コッポラ監督は、当時のメジャーな監督としては戦争の本質を伝えた
思い切った話を映画ににしたんだなと思いました。
私の勝手な感想です。
あと・・・あの『マトリックス』のモーフィアス役 ローランド・フィッシュバーンが
17歳の実年齢役で出演してました。ブロンクス出身のスリムな少年兵。

主題よりも戦争が庶民にあたえる悲惨さ…
ベトナム人の女の子が、子犬を守ろうとして武器を隠し持っていると疑われ全員蜂の巣…とか。
カーツの台詞「米軍は幼子達に好意でワクチンを打ったが、現地人は毒殺されると思い子供達の腕を切り取った。校庭に積み上げられた小さな腕達…」
がショックで、コッポラはもっと深い話がしたかったんだろうけど、それで胸がいっぱいに。作品そのものを受け止め切れなかった。今もそうだろうけど。
「ヒロシマ・モナムール」(「二十四時間の情事」)も、冒頭の被爆者の重篤な症状がショックで、それで頭がいっぱいになり、その後は気もそぞろに。。。
でもまー「戦争はやだ! 庶民が悲惨な苦しみ、別れを経験し、エラい人達は双方に武器を打って左うちわ!」という気持ちが植え付けられたから、一人の観客に(作品を受け止められなくても)強いインパクトを与えた…という事では成功してるのかも??
私もカーツのその言葉ズシリと来たよ。
そしてあの何故だか一般人の船とすれ違う時過剰に防衛してみんな殺したあと「女は生きている。手当しなくては。」なんて虫の息ベトナムの女性のことを気遣ったりして変だった。
中尉が「アメリカは手を出したあと手当をする。ウンザリだ。」って言っていて・・・なるほどなと思った。
ベトコンをつくったのもアメリカだってフランスの入植者が言っていたし
アメリカの矛盾が見えていた。