『招かれざる客』1967年

スタンリー・クレイマー監督

サンフランシスコの大きい新聞社の白人の社長令嬢が・・・黒人のとてもインテリな年上のフィアンセを連れて実家に帰ってくる。やっぱり新聞社の社長の家庭だけあってリベラルな考えの父と母なのだけど前例の無い事態で大騒ぎになる。
公民権運動から7年目。まだ人種間での結婚を認めていない州もある状態だったらしい。法律さえも認めていないこともあるけれど敢えて結婚しようとする若い2人に対しリベラルでありながらも娘の苦労に思いを馳せて
反対する父にスペンサー・クレイシー。 最初はとてもショックを受けながらも娘の気持ちを汲んで賛成してあげる母にキャサリン・へップバーン。社長令嬢で全然偏見が無く屈託ない娘にキャサリン・ホートン(キャサリン・ヘップバーンの姪っ子でなんか伯母に似ている)。きっと黒人だからとても苦労して医学を学んでWHOの研究機関でアフリカの伝染病の研究をしている博士のフィアンセに(14~15歳年上)シドニー・ポワチエ。
とても裕福なサンフランシスコの豪邸でやり取りされる話なのだけど、当時の人種間問題は普通の家庭では結婚なんて話し合える段階では無かったのかもしれない。

結婚を決めて相手がまさか白人とは思わなかった為反対する頑迷な黒人の父と相手の父の態度に対し
シドニー・ポワチエ演じるフィアンセが「一体私たちが何をしたと言うんだ。」と自分の父親と話し合う。「今までの貴方達の(黒人の)考えを変えて行かなくてはいけない。私達の世代で捨てないと。」ときっぱりと結婚を認めない父を受け入れないと宣言する。

父たちの頑迷さに対し白人の母も黒人の母も柔軟で 白人の母は「娘が少しも偏見を持たずフィアンセの内面に惹かれたなんて私たちの教育も間違って無かったわ!」と喜んで
黒人の母は難色を示す白人の娘の父に「私たちも昔・・・情熱を持って愛して結婚したのでしょう。それを忘れたのですか。同じでしょう?」と堂々と話す。この言葉が一番白人の父が動かされるのだ。

最後にスペンサー・トレイシー演じる父が二人を認めるのだけれど「これからどんな差別が降りかかるかもしれない。この国の半分は差別主義者だ。嫌な言葉を受けるだろう。そんなことは無視するか、反対に嘲れば良い。軽蔑すべきことだ。私はこの結婚を認める。頑張りなさい。」と言うようなことを言っていた。
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それにしてもこの映画はスペンサー・トレイシーの遺作だそうだ。9年間ほどキャサリン・ヘップバーンとの事実婚だったそうでこの撮影中はスペンサーの健康を気遣いながらだった。気のせいかヘップバーンの涙が光るシーンが多い。

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Commented by cody at 2014-08-09 04:55 x
これも、家事の合間にツギハギで観た(笑
今や時代が追いつき、フランスは異人種カップルなんて普通だからね。

> この国の半分は差別主義者だ。嫌な言葉を受けるだろう。そんなことは無視するか、反対に嘲れば良い。
ヘッセの「荒野の狼」のラストの台詞
「ラジオは下品な広告や無意味なトークの合間に素晴らしい音楽を流す。私達はそれをどうする事も出来ない。大事な事だけに耳を傾けなさい。それ以外の事は、笑いとばしなさい」
を思い出したよ!
Commented by mo8_a29 at 2014-08-09 07:58
ヘッセもそんなこと言っていたんだ。
どうしても聞こえてくる嫌なことってあるからね。
強くなけりゃいけないね~~~
by mo8_a29 | 2014-08-08 23:47 | 映画 | Trackback | Comments(2)

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