『八月の鯨』1987年

1988年岩波ホールで観た時は、老人たちの淡々としたサマーハウスでの出来事くらいにしか感じなかった。
また 見直してみて 全然違う。

姉のリビーと妹のセーラは娘時代に毎夏ここで鯨の姿を見てきた。
しかし・・・今は鯨の姿は無い。

姉リビーは妹セーラが第一次大戦で若い夫を亡くしたときに面倒を見てきた。そして今(1954年)妹セーラは夫を亡くし目の不自由になった姉リビーの面倒をみる立場になる。セーラはいつも明るくしているのだが・・・リビーは自分の立場が許せなくてつい捻くれたこと言ってしまい素直にはなれない。
とても美しいメイン州の島にある夏の別荘。見晴らしがよく・・・居間から海がよく見えるよう大きな窓を造りたいとセーラが提案する。しかしリビーはそんなこと先の短い老人がしても意味がないと反対する。
そして 近所の元ロシア貴族のマラノフ氏が釣りの魚を届けてくれる。この魚を使ってディナーを御馳走すると言うことになりマラノフ氏が訪ねてくる。セーラは明るく彼と話すことが出来るがリビーは疑い深く彼を傷つけるようなことを言ってしまう。その為彼はもう訪れることは無いだろうと帰ろうとする。そして・・・別れ際家の外のポーチでセーラは「あなたは一人かもしれないけれど、自由でうらやましいわ。」
彼は「あなたはロマンチストだ。」と言い残して去っていく。

リビーはセーラが去って一人になることを恐れていた。

セーラはこの冬一人でこのサマーハウスで暮らすことを決意する。

ある日、少女時代からの親友ヨシュアが不動産屋を連れて現れる。そしてセーラにこの古い家を売って
自分と一緒に住むことを提案する。しかし・・・セーラはひどく怒って追い返してしまう。

リビーは、居間に大きな窓をつける提案を認めることで自分の思いをセーラに届けようとした。
e0291281_2226281.png

再びあの鯨を見ることを夢見てここでの暮らしを続けることにした。

妹のセーラをリリアン・ギッシュ 無声時代からの女優さんでこの時93歳 可愛らしい。
姉のベティ・ディヴィス 『イヴの総て』のマーゴ役だった演技派女優さん ちょっとクール このとき79歳
年齢は逆転している姉妹だけれど しっくりいっている。
マラノフ氏にヴィンセント・プライス 恐怖映画に出演していたようだ。MJの『スリラー』の語り手をしていて私は知った。ティム・バートン監督の『シザーハンズ』での博士役が遺作になった。

出演者がとても年輪のある人ばかりだった。昔は知らなかったけれど。
この清々しい海を見ているお婆さん2人が微笑ましい。
[PR]
トラックバックURL : https://mog11sae.exblog.jp/tb/22293124
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by cody at 2014-08-17 03:48 x
リリアンギッシュ無声映画時代の作品ずーっと前に観た。小岩の区立図書館で月一回無声映画上映会やってて、元国立映画美術館の館長さんが弁士をやってたんだよね。

もう可憐…としか言いようのない愛らしい美貌。
しかし50年代にはお母さん役、その後はオバァちゃん役で活躍したから根っから演技人だったんだね。国民的人気は美貌だけではなく下地によるものだったのかも。

ところで、改めてwikiったら、ワテが観た「風」(’28)という薄幸の若妻役演じたときすでに35歳だった!普通欧米人は老けて見えるが、彼女の場合生まれつきの童顔と演技への情熱が若々しく見せていたのか?

彼女も、ヴィンセントプライスも、ベティーデイヴィスも、情熱を抱ける仕事をもち晩年まで現役で、幸せな人生だね〜。
Commented by mo8_a29 at 2014-08-17 07:07
そうだね。情熱もって丁寧に仕事していたのだろうね。

リリアン・ギッシュさんホントに欧米の人だけれど・・・ずっと可愛らしかったね。持ち味だね。
codyさん小岩の区立図書館での無声映画会に行ってたとは、なかなか映画マニアだね。いまだにそうかしら~~~
by mo8_a29 | 2014-08-15 22:28 | 映画 | Trackback | Comments(2)

備忘録。フィギュア・スケート 美術館に行ったこと 音楽 日々感じたこと書いてます。町田樹が気になってます。


by moグ