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『ヴィオラ母さん』ヤマサキ・マリ著 を読んで。



ヴィオラ母さんは、
1960年に発足した北海道での初めてのプロオーケストラの最初からヴィオラ奏者を担当しているヤマサキ・マリさんのお母様でリョウコさん。
その方は、女手一つで子どもたち(妹さんがいる)を育てた方で
とても破天荒な子育てをしながら 子供の気持ちを微塵も押さえつけることもなく 自立へ促していく姿は… 「すごい!!!」しかないです。

『札幌交響楽団』の発足を聞いて この26歳のリョウコさんは いてもたってもいられずに少しの衣服と大切な楽器を持って東京から北海道に渡ったそうです。もちろんご両親は反対。ご両親もリョウコさんに教養程度の(嫁入り時の教養でしょうか)楽器演奏を望んでいたらしいようですが きっと・・・それ以上だったのでしょうね~~~
そういう 行動力を 突如 発揮して 後ろを向くこともなく突き進んでいく リョウコさんです。
やがてオーケストラの指導者的な方と結婚し、お子さんが生まれます。そのお子さんがマリさんです。程なくその配偶者が亡くなり 女手ひとつで子育てをすることに。もともと 社会の枠を考慮しなかったから北海道に出てきたのでしょう。やりたいことをやる!という感じに。そういう自由なリョウコさんの子育てもアバウト。子どもの方はたまったものでは無いでしょうが、とても元気で強く育ったようです。何よりリョウコさんは、自分に向けられる非難とか批判とかを決して子どもには向けない。歪(いびつ)でも、子どもの気持ちを汲むし 愛情を表現する(子どもにとっては微妙でも)
リョウコさんの休みに合わせて学校を休ませて(一般的にはズル休みといわれる・・・笑)リョウコさんが普段 北海道中にヴァイオリンを教えに行くために使っている自動車で海や川や湖や山に遊びに連れて行ったり
子どもたちに『暮しの手帖』に載っていた(どうやらリョウコさんのバイブルらしい…)アップルパイやドーナツを作ったりしている。あまりのリピートぶりに閉口したらしいですが。(それが妹さんの職業選びに影響したそうだ。)

思うに、北海道という土地は そういうアバウトな人も受け入れる鷹揚さのあるところなのではないでしょうか。協力者は、自然に現れたようです。

 リョウコさんは、ここまで振り切って オーケストラ奏者の道を選んでいる人。人ってそこまで好きなことをやっていれば 他の人に対しても誠意持っていられるのだなと感じました。

昭和8年生まれ 
ちなみに私の母と同じ生まれ年。戦争を乗り越えて来た人でここまで自由人。変な社会通念を振り捨てています。我慢…は寒暖差とか気候のことくらい。後は大事な音楽のことを優先。子どもたちも育てている。そして甘えない。たくましさは誰にもありますが 徹底している強い人。

驚愕の 昭和8年生まれの方です。


by mo8_a29 | 2019-06-19 10:24 | | Trackback | Comments(0)

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